LINE通話でモールス信号を練習する装置
7M4MON, 2024.5
目的
- モールス信号を始めたいけど、いきなり知らない人と交信するのはハードルが高い…
- モールス信号が出来る知り合いはいるけど、遠方でなかなか会えない…
- 下手なオペレーションを聞かれるのが嫌なので、オンラインで知り合いと練習したい…
というお悩みを解決するために製作しました。
概要
- スマートフォンやPCに本装置を接続し、本体の赤ボタン押下または Key I/O端子[Tip]に接続した外部キーで、モールス信号をスマートフォンのマイク入力に送出します。
- ヘッドセットの音声にトーンを重畳させているので、通話しながらモールス信号を楽しむことできます。
- トーンデコーダーを搭載しているので、通話相手が送信したモールス信号を検出することができます。
- ボタンを押下ないしトーンを検出した場合は、Key I/O端子[Ring]がアクティブ[L]となります。モールス信号解読器を外部に接続することで、自分が送信した符号だけでなく相手が送信した符号もデコード可能です。
- 秋月電子で入手可能なICと汎用オペアンプで構成されています。マイコン不使用でプログラミング不要です。
- LINE通話のノイズサプレッション機能によりトーンが通らない場合は、「通話の詳細設定」の「オーディオモード」を「コミュニケーションモード」から「通常モード」に変更してみてください。
ブロック図
回路図
動作説明
- トーン発生器[NE555]は650-1050Hzの範囲で周波数を調整可能です。
- スマートフォンへのトーン出力は、3次のサレンキー型ローパスフィルター[LM324]にて高調波を減衰させ、正弦波(歪4%程度)としています。
- トーンデコーダー[NJM567]への入力は、多重帰還型バンドパスフィルター(中心周波数 750Hz)で増幅(20dB)及び帯域制限しています。
- トーンデコーダーはトーンを検出すると、出力端子がアクティブとなり、トーン発生器からモニター用のビープ音を発生させます。このとき、発生したビープ音がマイクラインに入力されると、ループが発生してしまうので、受信信号からトーンを検出した場合は、マイクラインへはトーンを出力しないようにミュートしています。
- スマートフォンによってはプラグ挿入だけではヘッドセットとして認識されないようです。マイク出力の1.5kΩを追加することで安定して検出するようになりました。
- NJM567の内部の発振器の漏れが出力に現れる場合があります。
その場合、電源を十分に(16V, 1000uF) デカップすると20dB以上改善し、ほぼ見えなくなりました。
その他
- 2024年のハムフェア自作品コンテスト応募作品です。